先端医療機器の導入裏事情|電子カルテ編

先端医療機器の導入裏事情|電子カルテ編

電子カルテの現状

電子カルテとは

img01電子カルテとは、本来、医師が紙として持っているカルテを、コンピュータを使い電子的に記録・管理するシステムのことを言います。記録するデータには患者さんの病状や検査レポート、X線画像が添付されることもあります。現在では、医療現場の効率化を図るため多くの医院で導入されています。

 

 

 

 

メリット・デメリット


メリット

電子カルテを導入すると、患者さんの情報は電子データとして専用サーバーなどで一括管理されます。つまり、紙のカルテと違い、広い保存スペースが要求されることがないので、長期間、多くの患者さんのカルテを保存することができます。また、蓄積された電子カルテは再来院した患者さんの治療時に有効活用することができます。

複数の医院同士が連携してネットワークを組み、電子カルテの内容を共有することができれば、患者さんはどこの医院でも円滑に治療を受けることが出来ます。医院側も患者さんの病歴などを電子カルテで参照できるので、診療がより的確に行われるようになります。


デメリット

電子カルテが共有されることで様々な医院からのアクセスが容易になるため、プライバシー保護に大きな不安を抱えることになります。また、重要なカルテなどを操作ミスにより削除してしまうなどの恐れもあるので、リスクヘッジを考えたシステム構築が求められます。

利便性や機能性、そしてセキュリティー面など様々な要素を追求したシステムを構築しなければなりません。そのため、システム導入費が大規模な病院の場合、数億円近くかかることもあります。また、導入後はメンテナンスやSEの常駐などによる運用費も発生するため、一般的には導入しにくいと言えるでしょう。

政府による普及促進の動き

2003年8月、厚生労働省では「標準的電子カルテ推進委員会」を設け、電子カルテシステムの普及を促進してきました。その後、日本が最先端IT国家となるための戦略「e-Japan重点計画-2004」において、2006年度までに全国の診療所とベッド数400床以上の病院の6割以上に電子カルテを導入することを目標としました。

導入率

2003年12月に厚生労働省が発表した調査によると、電子カルテの導入率は一般病院全体で1.2%、診療所2.6%と、普及率としてはさほど高くはありません。やはり、多くの医療機関にとっては高額の導入費と運用費が1番の足かせとなっているようです。しかし、それでも新規開業される診療施設への電子カルテ導入は少しずつ進んでおり、電子カルテベンダーなども様々なイベントを通して電子カルテのPRを行っています。

このように、少しずつではありますが年々電子カルテの普及率は上がってきています。電子カルテは の導入は、既存の医院が行うよりも、新規開設の医院に行うほうが設備を整えやすく費用的な負担も少なくなります。そのため、今後医院開業をお考えの方は、ぜひとも電子カルテの導入を視野に入れてみてはいかがでしょうか?また、電子カルテの導入は煩雑さと専門性が要求されるため、専門的知識や他の医院での電子カルテ導入実績がある設計事務所に依頼しましょう。

電子カルテ導入モデルケース

電子カルテの導入モデルケースをご紹介します。
以下は小規模な内科医院で電子カルテを活用した場合のケースです。

導入電子カルテシステム一覧

 

PC

受付 1台
診察室 1台
sub診察室 1台
(往診にも使用できるnote type)

画像サーバー

通常用 1台
CR専用サーバーとして 1台

電子カルテシステム

島津 Simclinic II

電子カルテと各種検査との連動模様

 

画像データの一括管理

レントゲン:CR 専用画像サーバー 診察室高解像度Disp ドライプリンターに出力可能

心電図 専用ソフトで電子カルテと連動保存可能

エコー画像 内視鏡画像 デジカメ画像 画像専用サーバー 診察室Disp
web baseのデータ (JPEGで電子カルテ内に保存、参照可能)



検査結果の一括管理

保険証、紹介状、検診結果等、組織検査結果>スキャナーで取り込んで電子カルテ内に保存

血液検査、自院検査:結果を手動で電子カルテに入力。外注分は専用回線にて別PCに取り込んだ後USBメモリを介して電子カルテに取り込む(外部インターネット回線に直接電子カルテLANをさらさず、セキュリティを確保するため)


各種書類印刷

検査伝票、処置箋、X線伝票(保存の義務づけ):診察室脇のインクジェット印刷で印刷可
紹介状、診断書、内視鏡診断書、指導書他:電子カルテ内のひな形を用いて、患者データと連動させながら印刷可能


レセプト等の会計端末との連動

それぞれの端末で独立して、レセプト、会計、電子カルテが稼働可能。(夜間等一人で1台のみ稼働させて、仕事が完結できるようにするため。画像サーバーを覗くためには受付のPCも立ち上げる必要がある。)
通常は受付で会計、領収書発行、院外処方箋発行を行っている。

レセコン専用機でなくても細かな対応が可能。メンテナンス、問い合わせにもリモート操作で対応が可能で、仮レセプトを打ち出さなくても画面上で訂正できるようにしている。電子レセプト提出にも対応。


調剤、処方箋との連動

基本的に院外処方箋で、ゾロにも対応。休日、夜間の処方は20種類程度の非常薬用意しておき対応。院内処方への会計も対応可能。

その他特記事項

 

机の上は、ディスプレイ、キーボード、マウス、プリンターとスペースを占有されているため、本を開いたり書類を書いたり、といった作業スペースが狭く感じます。80cm以上の奥行きのある、大きめの机を用意しておくと良いかもしれません。

立地の選定

医院開業する立地を探します。自分で見て回り、納得のできる立地を探すことも出来ます。しかし、それでは不安だと思う方は、診療施設建築の専門家などに相談し、医療向けの物件情報を提供してもらいましょう。また、開業後、「その立地でどのくらいの来院患者数が見込めるのか?」といった診療圏調査も行い、開業予定地に関する情報を可能な限り集めておきましょう。

電子カルテのメリットは、画像をサーバーで一括管理すれば、カルテの保存スペースが一部屋分空くことです。しかし導入にはカルテの電子化という、大変煩雑な作業が伴います。新規で医院を開設する場合、この問題はクリアできます(はじめから全て電子カルテで管理するため)。

またスムーズに運用するには、キーボード入力が大事です。マウスに頼っていると入力が遅くなり、自由に記述しにくい、という欠点があります。

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