内科・小児科

外観

埼玉県越谷市の越ヶ谷駅から数分の比較的交通量の多い道路に面する形での医院併用住宅の計画です。この地で医院を開業して3代目による全面建て替えによる計画です。この医院を経営する二人に医師はそれぞれが内科・胃腸科・小児科の学会認定の専門医で小児から高齢者まで専門医による診療を行っています。そのため地域との密着も濃く、工事期間中に休業することは出来なかったため最低限必要な施設を稼働させながらも休まずに医院を運営してきました。必然的に建物の配置そこから決まってくるなか、その中での最大公約数的な回答が建築計画に求められました。

この付近の交通事情並びに地元密着の医院であるため駐車場を広く全面に確保する必要があるということと、並びに建物の2階は専用住宅となるため、その「住宅の気配」を表に出せないということから自然に建築計画の概要が決められていきました。

 

 

 

 

この建物はRC壁式工法ですがポストテンションによる緊張力を導入しているのでこの様に宙に浮いた形の梁型が成り立ちます。その建物に向かって左側の長い通路は専用の駐車スペースとなり、雨掛かりもなく同時にその最奥に住宅部のエントランスを配しているためプライベートと医院の動線を穏やかに仕切っています。同時にそのスペースは長い「抜け感」を与えつつ既存の母屋の庭に続きます。

一方で医院の玄関は平らなファサードから突出する形の庇の下に囲われたガラスの箱が風除室となり医院待合室に面します。

建物本体は前面道路から少し引いた場所にあるため、前面道路にはゲートが設置され、そのゲートと本体の間が駐車場になります。写真はゲートから本体建物を臨んだところ。

前面道路にそのまま面するゲート越に建物を見た様子。休診日にはリンクシャッターが閉まりますが建物自体は見えるため道路に対しての圧迫感は軽減されています。

この医院はご夫婦による内科専門医と小児科専門医で運営されるためそれぞれの専門性を計画的にも明快にゾーン分けをしてそれぞれが自然な形でエントランスから導かれる形になります。

写真はその風除湿脇から住宅部分に抜ける長い通路の入り口部分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エントランスの上部の庇の様子。庇の下はタイルがそのまま同じレベルでエントランスの風徐室に入ります。バリアフリーのため段差なくそのまま室内に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風除室横から見上げた様子。この部位はそのまま天空まで抜け、住宅部分の寝室から外部を見た際に白い壁で囲まれる光井戸になります。外壁面全体がシスタコートで覆われているため汚れにくく、また遮熱効果があり、ほんのりと光を反射するのでこの光井戸は見た目以上に柔らかい光を天空から導きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

住宅部分に通じる長い通路から医院の方を振り返った様子。通路に面する院内待合室のハイサイドライトの窓と植栽部分の開放スペースが呼応します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内観

この医院は内科、小児科の専門医により構成されます。エントランスを入って風除室の段階で内科と小児科の方向に分かれます。写真は入り口を入って右側にある小児科の待合室の様子です。この待合室は吹き抜けていて上空にトップライトがあり、日中は照明をつけなくても十分な明るさが確保できます。エントランスの風徐室は通常の高さなので入った途端に視界が開ける形になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吹き抜け上空のトップライトから自然光が入ってくる様子。病院としての機能的な部分の「外壁」は打ち放しのコンクリートで包まれる様に構成されています。その病院としての外壁をもう一皮くるむ様に建物そのものが構成されます。写真はその小児科部分の「外壁」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風除室から入ると右側が小児科待合い、まっすぐ突き抜けると内科待合いと別れます。写真は内科に至るその「まっすぐ突き抜ける」廊下の様子。この病院は RC造壁式で構成されています。その壁とフラットスラブにプレストレスを導入することにより、隅部に壁を設けないすっきりとした構成になっています。その構造の表現として、外壁を外側のスキン、内壁を更に包まれたスキンとして表し、外側の白いスキンに包み込まれる打ち放しコンクリートの固い表情を表そうと試みました。ちょうどこのシーンはその外側の外殻と内側の殻が対峙する様子。その空隙部分がここでは通路となっています。

 

 

 

 

 

 

 

内科待合室の様子。写真正面は内科専用の受付。右側は入り口から続く通路。

再びエントランス側から白い外皮とコンクリート打ち放し面の間に挟まれた通路を見た様子。白いスキンはその上部に連続するハイサイドライトを通してそのまま外の通路に天井面が連続します。そのため壁面は天井の手前でスラブには届かずに「間仕切り」として存在します。その軽い間仕切りと化したスキンの内側にコンクリートの塊が対峙します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レントゲン室。レントゲン室は完全にシールドされています。